インナーチャイルドという言葉をご存知でしょうか?
簡単にいえば、”自分の中にいる幼い自分”です。
その幼い自分は、多かれ少なかれ心に傷をもっています。
どんな人でも100%完璧で幸せな幼少期を過ごす、なんてことはありません。
子供の頃に体験した「寂しさ」や「恐怖」 や「嫌な出来事」は、大人の自分にとっては些細なことに思えるかもしれません。
しかし、子供の世界は大人が思う以上に小さく狭いものです。
無力な子供にとって、『親は世界の全て』です。
大人の些細な嘘でさえ、子供の心に深い傷をつけます。
そして傷ついた幼い自分は大人になっても心の奥深くに存在し続けます。
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ふとした瞬間に、インナーチャイルドは顔を出します。
私がはじめてそれを自覚したのは、子供たちとおやつ作りをしている時でした。
楽しいはずのおやつ作り、それなのに私は終始イライラしていました。
子供が小麦粉をこぼすだけで声を荒げるほど…。
その時私は、自分の感情に疑問を感じて心の内側を見つめてみました。
そして気付いたのです。
「私もお母さんとおやつ作りをしたかったのにできなかった!それなのになぜ、私は子供たちにおやつを作ってあげなければいけないのか。子供たちだけ幸せな思いをするなんて、そんなのズルい!」
これはその時に感じた正直な自分の気持ちです。
親としてあり得ない、と思われるでしょうか?
でもこれが私の心の奥に潜んでいたインナーチャイルドだったのです。
このことに気付けたことは、私にとって大きな一歩でした。
インナーチャイルドの癒やしは、気付くことから始まるからです。
(続く)